4月に群馬県教育委員会から入試概要が発表になりました。

今度の入試から、前期、後期の区別なく、希望者全員が1回の公立入試試験を受けることになります。

高校によって、総合型選抜重視の高校と特色型選抜重視の高校に分かれています。総合型選抜重視とは、学力テストの得点を重視ししますということで、特色型選抜重視とは、学力テストの得点は50%程度で、あとは内申点や、個々に応じた特別な成果や能力をテストの点数以外で重視しますということです。

進学高校は学力テストの点数重視、商業系や農業系は内申点、他の能力、成果重視のところが多いように見えます。ただ、気を付けなくてはいけないのが、今回の入試から、令和5年度入試まで行われてきた、前期選抜入試のA選抜、B選抜、後期入試というくくりが非常にあいまいになっているため、部活動であるていど成果をあげた生徒が合格しにくくなったということです。

例えば、伊勢崎商業は今年までの前期選抜の合格者は、ほとんどが調査書と面接のみで決まっています。つまり、国語、数学、英語の3教科の試験があったのに、ほとんどその結果が見られていなかった(20%の比重)ということです。つまり、募集定員の半分の生徒120名がテストの点以外の評価で入学しました。

ところが、今度の入試は違います。学力テストの点数重視で50%の生徒を先に選定し、残りのほとんどの生徒は、学力テストと内申点の5分5分の評価でいい点数の生徒から合格者を選定するように、がらっと選定方法を変えました。

これは、どういうことかというと、つぎのようになります。今までは、前期入試で部活枠というのがあって、中学の中体連で野球部が県大会まで行けた。高校に行っても、野球部に入り活躍したいという意向で有利に前期入試をA選抜、B選抜を生徒が選べたのに、今後は選べないということ。あくまでも、高校入試は学力テストを重視しますから、その合格者の残りで、部活などの成果が生きてくる程度であるということです。

ですから、県大会に出場程度の生徒は溢れるほどいるわけで、その程度の活躍では決めてにはまったくなりません。県で個人3位以内くらいでないと評価されないということです。

昨今、サッカーや野球の高校大会でもほとんど活躍しているのは、私立です。健大や育英など。ここ数年決まっています。この入試改革によって、県の教育委員会も、中途半端に部活枠なる前期選抜入試を思い切って止めて、すべての生徒に平等に受験機会を与えるという意味で、今回の入試改革に踏み切ったのでしょう。

入試問題自体は、難問ばかりの今までの後期入試並にはならないと思いますが、やはり、商業、工業など実業系の学校を志望する生徒にも、しっかり基礎学力を持って高校に来てもらいたいというメッセージであると思います。